武蔵野産業 > メディア > 未分類 > 素材別に見る食品パッケージの選び方
2025/07/06

素材別に見る食品パッケージの選び方

海老原 隆洋

素材別に見る食品パッケージの選び方

食品製造業において、製品の品質を守るうえで欠かせないのが「食品パッケージ」の存在です。パッケージの選定次第で、保存性や衛生面はもちろん、製品イメージや売上にまで影響を与えることがあります。本記事では、食品パッケージを「素材別」に分類し、それぞれの特徴や適した食品ジャンル、安全性・コスト・環境対応の観点まで詳しく解説します。食品の特性や企業ニーズに応じた最適な選び方を知り、信頼できるパッケージパートナー選定の参考にしてください。

食品パッケージの基本的な役割とは?

食品を外的要因から守る

食品パッケージは、酸素・湿気・光・微生物などから食品を保護する「防御壁」として機能します。これにより、衛生的な状態で消費者の手元に届けることが可能になります。

賞味期限・保存性の向上

素材や構造に応じて、酸素透過率や水分バリア性能が異なり、保存期間の延長が可能になります。真空包装やガス置換包装なども含めて、保存性の向上に寄与します。

情報伝達・ブランディングの重要性

商品ラベルやデザイン、素材感は、購買意欲を左右します。企業のブランドメッセージを届けるツールとしての役割も重要です。


素材別に見る食品パッケージの種類と特徴

紙製パッケージ

代表的な紙素材(クラフト紙、白板紙など)

クラフト紙や白板紙、耐油紙など、用途に応じた多様な紙素材が存在します。

メリットとデメリット

  • メリット:軽量・印刷適性が高い・環境配慮
  • デメリット:水分や油に弱く、長期保存に不向き

適した食品ジャンル

焼き菓子、パン、ファストフード、青果など短期消費向け食品に適しています。

プラスチック製パッケージ

PET・PE・OPPなど主要素材の特性

各種プラスチック素材には、透明性、強度、シール性、バリア性などの異なる性能があります。

加工性・保存性・コストのバランス

コストパフォーマンスが良く、形状・用途に応じて柔軟に対応可能。食品工場でも多く利用されています。

使用時の注意点

環境負荷・リサイクルの難しさなどが課題。用途ごとに素材を使い分ける工夫が求められます。

金属製パッケージ

アルミ缶・スチール缶の特徴

遮光性・密封性に優れ、腐敗や劣化を防ぐ性能が高い。

密封性・耐久性・遮光性

高温殺菌にも対応できる強度があり、食品の長期保存が可能です。

飲料・缶詰・高温加熱処理向け

飲料や缶詰、レトルト食品などに広く利用されています。

ガラス製パッケージ

ガラス容器の利点と用途

無機素材で化学的に安定しており、味・香りに影響を与えません。密封性能も高い。

高級感と安全性を求めるケース

高級食品や健康志向食品で多用され、視認性にも優れます。

リユース・リサイクルとの相性

再利用やリサイクルが可能で、環境配慮の面でも注目されています。

軟包装(フィルム・パウチ)

単体 vs 多層フィルム

単体フィルムは軽量・低コスト、多層は保存性や遮光性に優れる。

レトルト・真空・冷凍対応例

加熱殺菌可能なレトルトパウチ、酸素遮断性に優れた真空包装など、多用途に展開されています。

スパウト・スタンドパウチの特徴

液体製品に適し、利便性と差別化を両立。自立可能で陳列効果も高い。


食品別に最適なパッケージ素材の選定基準

乾燥食品に適した素材と構造

水分を遮断するアルミ蒸着フィルムや高バリアフィルムが主流です。

冷凍・冷蔵食品に適したパッケージ

耐寒性のあるLLDPEやHDPEなどのフィルムが効果的。霜付き防止などの加工も有効です。

液体・レトルト食品で重視すべき点

耐熱性・シール強度・酸素遮断性がカギ。多層構造のレトルトパウチが多く使われます。

脱酸素・遮光性が求められる食品

乾燥剤封入やガス置換に対応したアルミパウチ、遮光性PETなどが適しています。


素材選びのポイントとチェックリスト

安全性・保存性のチェック項目

  • 食品衛生法適合素材か
  • 耐熱性・耐寒性の検証
  • 酸素透過度・水蒸気透過度

供給の安定性・コスト面の判断軸

  • 材料費・加工費のバランス
  • 在庫確保・納期対応の可否
  • サプライヤーの信頼性

環境配慮・SDGs対応の視点

  • リサイクル素材・再生可能資源の使用
  • 軽量化による輸送効率向上
  • 廃棄時の処理のしやすさ

まとめ

食品に合った素材選びが品質を左右する

素材によって保存性・衛生性・消費者の印象まで大きく変わります。製品特性に最も適した素材を選定しましょう。

信頼できるパートナーとの連携がカギ

包装資材の専門業者と連携し、最新の情報やニーズに応じた最適提案を受けることが品質維持と安定供給の近道です。